はたして、マイクロフォーサーズは、当たるか? [カメラについて]
OLYMPUS E-300 Zuiko Digital 35mm F3.5 MACRO
もともと、フォーサーズは、デジタル一眼レフシステムを高精度に小型化するための
規格だった。
登場当初は、あまりボディもレンズも小さくなかったが、(むしろデカかったりして)
オリンパスE-400(欧州限定)が登場してから以降は、やっと小型軽量化に磨きが、かかりだした。
それをセンサーサイズはそのままに、ボディとレンズを
さらに小型化しようというのが、マイクロフォーサーズ。
フランジバック(レンズマウントのマウント面から、撮像素子までの距離)
が半分になるから、カメラの厚みは大体半分になる。
これは、すごいことだと思う。
ミラーボックス等が無くなるから、一眼「レフレックス」ではなくなる。
とうぜん、背面の液晶パネルでのライブビューか、
電子ビューファインダー内蔵ということになるのだろう。
レンズマウントの外径が6mm小さくなるという。
これはどうなんだろう・・・。
現フォーサーズレンズのリアキャップの大きさくらい?
これは実物を見てみないことには、イメージしにくい。
あんまり小さくないような気もする・・・。
しかし設計の自由度が増すようなので、
かなり小さいものになりそうな気もする。
ここで、わたしが思い出してしまうのが、ミノルタVECTIS S-1である。
それは、あまり良い意味で思い出すのではなくて、はっきり言うと、失敗例・・・。
ミノルタVECTIS S-1、1996年に発売されたAPS一眼レフである。
もちろん「APS-C」センサーのデジタル一眼レフではなく、
この年に発表された銀塩フィルムシステムAPS(アドバンスド・フォト・システム)
を採用した新しい一眼レフシステムだった。
35mm一眼レフシステムのαをベースにしながらも、新しい小型のVマウント、
レンズ内モーター内蔵のVレンズシステムを構築。
いま、思えば、あきらかに、将来のデジタル化も視野に入れたシステムだったと思う。
なぜ、このシステムは失敗したのだろう。
APSというシステムが、中途半端だった、ということが、まず一番にあるが、
このカメラ、確かに小さいことは小さいのだが、
劇的に小さくはなかった。
(126.5×76.5×63.5mm、365g)
※APSシステムというのは、確かに失敗もなく、合理的ではあるのだが、
35mmフィルムに、特に重大な欠陥があるわけでもなく、
じっさい消費者が求めているのは、「簡単」だとか、「中途半端な小型化」だけでは
なかった・・・。
メーカーは、長いこと、”使い方を覚えなくても、失敗しないカメラ”を追求してきた。
いわゆる「バカでも・・・」なんとか、である。
押せばキレイに写りますよ・・・そう言い続けてきた。
でも、たとえば、「デジカメ」はフィルムカメラより本当に「簡単」だろうか?
むしろ「複雑」だし、失敗も多くないだろうか?
しかし、使い方を覚えれば、これほど「便利」なものはないのだ。
だから、これだけ普及したのだと思う。
APSにはデジカメほどの「便利さ」はなかった。
慣れ親しんだ35mmフィルムから乗り換えるほどの魅力もなかったのだ。
どう見ても、ロボコップのようなデザインはファミリー向きには見えないが
これをミノルタはファミリーに売ろうとしたのだ。
この程度の小ささなら、35mmフィルム一眼のα-303siのほうが
安くていいじゃん・・・ってことになる。
こっちのほうが断然カッコいいしねえ(笑)
↑ これがミノルタα-303si (1994)
サイズ | 148.5×92.5×67.5mm |
質量(重さ) | 395g |
マイクロフォーサーズ機は、じっさい、どの程度のサイズになるのか、まだ分からない。
でも、現行のフォーサーズ機とマイクロフォーサーズ機のサイズの差が、
かつてのミノルタα-303siとVECTIS S-1程度の差だったりしたら、
間違いなく、コケるだろう。
わたしとしては、ミノルタα-303siと※ペンタックス・オート110ほどの
印象の差がほしいと思っているのだけど・・・。
※ペンタックス・オート110・・・99(幅)×56(高)×45(厚)mm・172gの110カートリッジフィルム使用の超小型一眼レフ(1979年)
フォーサーズ愛用者として、このマイクロフォーサーズにも関心があります。
個人的には、コンタックスのG1あたりの感じが良いかな。
一眼レフは便利なのですが、あの大きさと、ミラーのカシャッという音が
とても気になります。
あれが無くなるのが嬉しいですね。
by ナツパパ (2008-09-08 09:23)
興味がありますね。どんなボディとレンズが出てくるか。
by monta (2008-09-10 21:34)
ナツパパさん
レンジファインダー機っぽい感じになりそうな気もしますね。
コンタックスのGシリーズを小型化した感じなんて、なかなか良さそうですよね。
montaさん
どんなのが出てくるでしょうね。
予想を超えるようなものを期待したいです。
by かめむし (2008-09-11 21:21)
APSシステムの欠点の一つとして、現像後もケースに入っていたと言うこと。135判を始め、それまでのフィルムは現像すれば、平面に保管することが出来ました。私は、この問題が一番の欠点だったのではと。
せっかく、画質を犠牲にした小さな撮影面と引き換えにシステムのコンパクト化を図ったにもかかわらず、フィルムだけは保管場所を返って取る。これでは、成功する要素は無かったかと。
対して、マイクロフォーサーズは、コンデジからのステップアップする人に、同じ感覚で使用でき、レンズも交換可能ということで、受け入れられる可能性は有ると感じます。ただ、その後のステップアップに気づかずにすむ人ばかりか、ステップアップできないことに気づいて問題にする人々が問題となるほど出るか? その部分がかぎになるかと。
by Loki (2008-09-14 22:51)
Lokiさん
>コンデジからのステップアップ
EOS Kiss Digital にステップアップしない人が、
じゃあマイクロフォーサーズならステップアップするか?といえば、
それも厳しいでしょうって思いますよね(笑)
メーカーはレンズ交換式のカメラを売りたがりますが、
コンパクトで十分な人は多いわけだし、
ステップアップしたくなった人は、それなりのカメラを選ぶはずですし。
by かめむし (2008-09-17 21:08)
持ってましたよ、ペンタックス オート110。
本当にオモチャみたいな小ささだったけど、
ちゃんと精密な光学機器らしさはありましたね。
でもあそこまで小さいと道楽の対象としてはともかく、
かえって持ち難かったです。
道具として使い易く、なおかつ性能が凝縮されたシステムに
なって欲しいですね。
by YASH (2008-09-22 21:45)