α55、感想文 [新製品について2010]
OLYMPUS E-300 Zuiko Digital 40-150mm F4-5.6 1/100sec F8
Y電機で、ソニーα55とα33を触ってきた。
第一印象としては、まず小さい、
そして、デザインがNEO一眼(いわゆる高倍率ズーム付きのコンデジ)
っぽいなと感じた。
だから、メカっぽくはあっても、高級感はあまり感じられない。
操作した感覚は、よい意味で、一眼レフとは、全く別物だった。
視野率100%のトゥルーファインダーと呼ばれる
電子ビューファインダーを覗くと、
十分に実用的な解像感が感じられた。
画面が大きく見えるから、中途半端な光学ファインダーより、よっぽどいい。
シャッターボタンを押してみると、ジャ~と音がする。
どうやら高速連写しているようだ。
α55だから秒10コマでシャッターが切れているはず?
(いや、連続撮影優先AEのときに10コマ秒であって、
通常の連写モードでは6コマ秒だそうだ)
にぎやかな店内のせいか、あまりシャッター音が、
よく聴き取れないのだが・・・。
もしかしたら、ジャ~じゃなくて、ガ~なのかもしれないけど。
もしかしたら音も静かなのかもしれない。
これは静かなところでないと分からない。
ミラーショックもなく、ファインダー画像がブラックアウトしないから、
一眼レフに慣れた者からすると、ちゃんと撮影されているのかどうか、
実感が湧かず、逆に不安になった(笑)。
でも、これは凄い。
「スピード一眼」を謳うだけあって、キビキビとカメラは動く。
起動も早いと感じた。
一眼レフカメラとミラーレスカメラを合体して、それぞれの弱点を補っている。
急にα NEXが色褪せて見えてきたぞ。
使いやすさでいえば、断然こっちだな。
55番が只者であるわけがないのだ [新製品について2010]
ソニーから2つの新しいαが登場。
透過ミラー、電子ビューファインダー内蔵。
高速オートフォーカス、高速連写(α55は秒10コマだ!)。
一眼レフでもなく、ミラーレスとも呼べない(?)微妙な新ジャンルのカメラ。
とくに55という数字は、ソニーにとって、とても大きな意味がある。
1955年に発売されたソニー製日本初のトランジスターラジオが、
TR55という名称だったし、
1989年に画期的な小型化を実現したパスポートサイズ・ハンディカムが、
やはりTR55だった。
55は、いわゆるソニーの栄光の背番号。
α55はソニーにとって一世一代の勝負マシンに違いないのだ。
ところで、しかし…この2機種のカメラを、
どういうカテゴリーに分類して呼べばよいのだろうか…。
やはり「一眼」と呼ぶしかないのかな?
ソニーもオリンパスも自社のレンズ交換式カメラを
一眼レフもミラーレスも含めて、「デジタル一眼カメラ」という
呼称で括っている。
パナソニックもマイクロフォーサーズ機を「一眼」と呼んでいる。
一眼レフはSingle Lens Refex Cameraというけれど、
鏡を使わないものも出てきたからといって「レフ」を抜いて
「一眼カメラ」として括るのは、ちょっと乱暴だなあと感じる。
英訳したらSingle Lens Camera?
ひとつのレンズという意味だとしたら、
世の中のほとんどのカメラが
「一眼カメラ」なのだ。
たとえば、単独(single?)の形でレンズが存在するカメラ、
つまりレンズがカメラ本体に内蔵されていない、単体として存在していて、
装着・交換ができるカメラ、と、かなり無理矢理に、拡大解釈すれば、
意味が通りそうな感じもしないこともないが(?)・・・
(そうなるとレンジファインダー・ライカも一眼になってしまうか・・・う~む)
これから、ますますデジタル技術や光学技術が注ぎ込まれて、
カメラの形も多様化、流動化して、
一眼レフだとかミラーレスとかいった、すでにある分類では
用をなさないし、追いつけない、そんな凄い時代になりそうな予感もする。
ここは今のうちに「システムカメラ」というような大雑把な呼称で
全体を括っておく必要があるかもしれない。
レンズ交換できるカメラは「システムカメラ」とすればいいと思う。
システムカメラという呼称だったら、カメラがどう変わろうと対応できそうだし。
だいたい「一眼カメラ」では、来るべき3D時代に対応できないしね(笑)。
(その頃には二眼カメラなんてのが出てくるのかな・・・)
話は急に戻るけど、
α55、α33を作り上げたソニーを以下の点で評価したいと思う。
いままでの新ジャンルカメラ、たとえばオリンパスのマイクロ・フォーサーズ機、
ソニーのαNEX、それらは、ちょっと語弊があるかもしれないが、
”一眼レフの敵ではなかった”し、ハナから勝負しようとなんかしていなかった。
しかし今回のα55、α33は、違う。
一眼レフを超えることを目指したカメラだと思う。
ついに、そういう時が来たんだろうな、そう感じた。
RICOH R10 1/34sec F3.6 ISO176 フラッシュON
α NEX-5感想文 [新製品について2010]
OLYMPUS E-520 Zuiko Digital ED40-150mm F4.0-5.6 1/320sec F8 ISO100
ソニーα NEX-5、家電量販店で触ってきました。
手にしたときの最初の印象は、イメージしていたよりも意外と、
バランスが良い?ということ。
18-55mmレンズが付いていましたが、適度な重量感でした。
どうやって絞りとかシャッタースピードを設定するんだろう?と、
あれこれテキトーにいじってみたら、フムフム・・・
ああ、なるほど、判れば使いやすいかもしれない・・・という感じ。
二つのボタン(ソフトキー)とコントロールホイールは、
説明書を読まなくても、慣れれば、直感的に操作できそうです。
しかし、なんか大きな違和感がある・・・。
機械としての完成度は、かなり高そうだと思うのだけど・・・。
根本的なところに、違和感。
これ、New αというよりは、Newハンディカムなのかもしれない・・・
「レンズ交換式ハンディカム」だと思ったとたん、不思議と、
さっきまでの、違和感がス~っと消えていくのでした。
ちゃんとした静止画が撮れるニュータイプのハンディカム。
スチルカメラだと思うと、なんか違和感があるのだけど、
ハンディカムだと思うと、なぜか心に馴染んでくる感じなのです。
このカメラ、αよりハンディカムのほうに、ず~っと近いのかな・・・。
そんな印象。
動画を撮ってみたい・・・そう思わせるカメラ。
ミノルタ、コニカミノルタから続く一眼レフのαシリーズとは、まったく違う、
真の「ソニーα」が、ついに誕生した、ということかもしれません・・・。
鏡の国のミラーレス [新製品について2010]
OLYMPUS E-520 Zuiko Digital ED 40-150mm F4.0-5.6
ソニーから発表された「デジタル”一眼”カメラNEX」2機種・・・
ソニーらしいデザインだと思うが、どうもアンバランスに見えてしょうがない。
わたし的には、使いやすいように見えない。
オリンパスPENデジタルをはじめとする、コンパクトカメラ風の
レンズ交換式ミラーレス機が人気だが、
この手のタイプは、はっきり言って、異端だと思う。
異端であることは、決して悪いことではない。
異端が存在することで、カメラの世界がより豊かになるのは確かだから。
でも・・・異端ばかりというのもどうか。
やっぱり正統がなくちゃいけない。
ミラーレスの正統は、パナソニックGH-1やG-1、G-2などの
電子ビューファインダー(EVF)内蔵タイプであるべきだと思う。
パナソニックは、ミラーレス機で、ニコンやキヤノンの一眼レフにガチで勝負に
挑んでやろうというくらいの気概があるのだろう。
あの一眼レフに似たデザインは、一眼レフにあやかろうなんていう、
みみっちい考えからじゃなくて、一眼レフに替わる次世代のカメラはこれだぜ!という
自己主張なのだ、とすら、わたしは思っちゃってる(笑)。
一方、一眼レフのブランドを持っているオリンパス、ソニーのミラーレス機は、
どうしても一眼レフの形から遠くなるし、へんな気を使っている。
一眼レフと競合させることは出来ない・・・から、隙間をねらっている。
一眼レフとは違う価値感を求めるあまり(しかも一眼レフの価値を否定しないという綱渡り)、
総合的にバランスが悪くなる。
皮肉なことだが、一眼レフを鏡に映して逆さま、アベコベにしたようなカメラを作ってるなあ・・・
なんて、最近思うのである。