キヤノンEF24-85mmF3.5-4.5USM [くらべてみました]
キヤノンEF24-85mmF3.5-4.5USMは、 1996年9月に発売された
EOS用の標準ズームレンズです。
24mmの広角が使え、大きな建物も画面に収まり、軽くコンパクトで、
フィルム時代には重宝しました。
デジタルのEOS7Dに装着するとフルサイズ換算38-136mm相当になり、
ちょっと望遠よりになってしまうので、最近は出番が少なくなっていました。
でも、できれば、もう少し活用したいと思っています。
そこで現在メインで使っているタムロンの標準ズームと撮り比べて、
それぞれの個性や特性を掴んでおこうと思いました。
Canon EF24-85mm F3.5-4.5USM、24mmで撮影。 Mモード1/250sec F8
Tamron SP AF17-50mmF2.8XR(A16)、24mmで撮影。 Mモード1/250sec F8
縮小した、このサイズ(520X347ピクセル)では比べてみても、
ほとんど違いは感じられませんが、
キヤノンEF24-85mmのほうが、奥のタンカーなどの黒っぽい部分が
タムロンより明るめに写っています。
タムロン17-50mmのほうが、黒が締まって見えます。
遠景はキヤノンEF24-85mmのほうが、ハッキリクッキリ写っています。
中心部の解像力を見る限りでは、ものすごく優秀なレンズだと思えます。
一方のタムロンは、遠景が、なんだかハッキリしない・・・僅かにボケている。
実は、よくみるとタムロンのほうが被写界深度が浅いのが分かります。
以下、5184×3456ピクセルの画像から520×347ピクセルを切り出してみます。
「近景」Canon EF24-85mm F3.5-4.5USM
「近景」Tamron SP AF17-50mmF2.8XR(A16) ピントは、このへんにきています。
「中・遠景」Canon EF24-85mm F3.5-4.5USM
「中・遠景」Tamron SP AF17-50mmF2.8XR(A16) 被写界深度、かなり違いますね・・・
同じ24mmで同じ絞りF8なのに、キヤノンEF24-85mmは
手前から奥までピントが合ったパンフォーカス。
タムロン17-50mmはピントが合った手前の描写はキヤノンとほぼ同様だが、
奥のほうになると、わずかにボケる。
パンフォーカスの風景撮影の場合、タムロンのほうは、より絞る必要がありますね。
補足訂正(2019):どうやらタムロンの合焦位置がズレてたのが原因のようです・・・。
被写界深度の記述は無かったことにして下さい(__)
さて、画面中心部では驚きの描写力を見せるキヤノンEF24-85mmF3.5-4.5USMですが、
じつは画面周辺部となると、ちょっとキビシイ感じなんです。
エッジに収差が出ています。紫色のパープルフリンジも目立ちますね。
これは、けっこう気になりますね。
Canon EF24-85mm F3.5-4.5USMで撮影した写真の一部を等倍で切り出し。
色収差がかなり出ています。
Canon EF24-85mm F3.5-4.5USMで撮影したRAWファイルを、
キヤノン一眼レフ付属のソフト、
キヤノン・デジタル・フォト・プロフェッショナル(DPP)で現像。
レンズ収差を補正しました。
これで、かなりスッキリしましたね。ここがキヤノン純正レンズの強みです。
Tamron SP AF17-50mmF2.8XRで撮影したもの。ソフト補正なし。
最近のデジタル対応レンズだけあって、あまり収差は気になりませんね。
さて結論です。
キヤノンEF24-85mmF3.5-4.5USMは、コントラストは強くないものの
描写が、やや硬めなので、エッジを効かして、
都市風景などをパンフォーカスでねらうのに向いていそうですね。
RAWで撮影して、キヤノン・デジタル・フォト・プロフェッショナル(DPP)で現像し、
色収差を補正すれば、
現在でも十分実用になると思います。
タムロンSP AF17-50mmF2.8XR(A16)は、コントラストはあるものの、
基本的にやわらかい描写。
どちらかといえばボケ味を生かした撮影に向きそうです。
パンフォーカスで風景を撮影したいときは「絞り」に要注意ですね。
なるほどレンズによってこうも違いが出るのですね。
それを弁えた上で使うことが大切なんだなあ。
by ナツパパ (2012-09-19 08:33)
比較してみて初めて分かるものですね。
被写界深度の違いには、ちょっとビックリしました。
「くらべてみました」という、あたらしいカテゴリーを作りましたので、
他にもいろいろ比較してみようと思います。
by かめむし (2012-09-19 20:49)