「一級」コンパクト RICOH GR-1s [フィルムカメラ]
いわゆる「高級コンパクトカメラ」というジャンル分けがありますが、
どことなく贅沢品とかラグジュアリーといった言葉を連想させて、
私は、あまり好きな言葉ではありません。
RICOH GR-1シリーズは、ラグジュアリー感覚というのが、
ほとんど感じられないカメラです。
それは褒め言葉なんです。
これは贅沢品ではなく、一級の道具。
私はGR-1を高級じゃなくて、一級コンパクトカメラと呼びたい。
電源ボタンが背面、ファインダー横の絶妙な位置にあって、
親指で押しやすく、とても使いやすいのです。
背面にボタン類がズラリと並ぶデジタルカメラでは、この位置に
電源ボタンを配置するのは無理があるのでしょうか、
大体、上部に電源ボタンが付いています。GR Digitalもそうですね。
しかし、カメラを親指で起動させるのと、人差し指でするのとでは、
かなり気分が違うものです。
親指で電源ON,すかさずファインダーを覗く・・・。
その動作が、私には、一番しっくりきます。
人差し指でON,腕を伸ばしてモニターに眼を凝らす、というのが、
どうにもこうにも、なんだか、やっぱり違うよな・・・という感じです。いまだに。
GR-1シリーズの「こだわり」の一つが、このボディの薄さ。
グリップ部以外はフィルムと同じ厚さです。
今のデジカメの感覚で見ると全然薄く見えないのですが、35mmフィルムカメラで
この薄さは、ありえない!ってくらいの衝撃でしたよ、当時は。
フィルムを装てんすると、予備巻き上げ方式といって、あらかじめフィルム全部を
巻き取るようになっています。撮影する度、パトローネにフィルムが戻ってゆく。
これは、主に初心者向けのカメラに採用された方式でしたが、
間違って裏蓋を開けてしまっても、撮影済みのフィルムが感光しないという長所があります。
今にして思えば、プロ向けのカメラに取り入れられても、おかしくない、
合理的な方式だったと思います。
フィルムを入れて、裏蓋を閉じると、予備巻き上げが始まります。
なんだか甲高いけど小さなモーター音が苦しげ・・・です。
3Vの小さなリチウム電池1個で動いてますからね。
GR-1は、力がないのです。
ちょっと心配になるくらいに・・・。
でも肝心の写りは一眼レフ並みの高画質。
場合によっては一眼レフ以上かもしれません。
無駄な贅肉と筋肉を削ぎ落とすことで、最高のパフォーマンスを
発揮するように作られているのがGRなのです。
フィルムカメラ時代のGRシリーズは素晴らしかったですね。
ご紹介のGR1も小型ながら本格的なカメラでした。
わたしはGR21でしたか、21㍉レンズ搭載のカメラが欲しかったなあ。
結局届かぬ夢でしたが、このシリーズは憧れでした。
今デジタルカメラでリコーの製品を愛用しているのは、このときの憧れが
あるからかも知れませんね。
by ナツパパ (2011-05-22 09:37)
GR-1以前にも素晴らしいカメラを作っていたリコーですが、
やはりGR-1以後は、周りの評価が上がりましたよね。
by かめむし (2011-05-22 16:44)
GRシリーズは良かったですよね。
私はGR10を持ってました。
by monta (2011-05-25 21:35)
GR10はGR1と同じレンズでしたね。
機能は省略されてましたが、全く同じ高画質でした。
by かめむし (2011-05-26 20:27)
魅力的なカメラですね。
by 坊や (2011-05-27 10:14)
フィルムのGRを通ってきていない私には、こういう記事がとても面白いです。
by penny (2011-05-27 15:15)