第12回(ジャパニーズCONTAX) [カタログ・アーカイブス]
このカタログは私が1979年に手に入れたものですが、このRTSというカメラは
1975年に発売されたプロフェッショナル一眼レフカメラです。
カメラボディはポルシェデザインのヤシカ製、レンズはヤシカとカール・ツァイス。
いわばドイツと日本の合作でした。
そのためか、今、あらためて見ると、非常に合理的な仕様で驚きます。
当時プロフェッショナルのカメラというと、マニュアルの機械式というのが
当たり前だったと記憶しているのですが、RTSはAE(自動露出)搭載で、ストローク0.7mmの
フェザータッチの電磁レリーズなど、徹底的に電子化されたカメラだったのでした。
RTSとはReal Time Systemの略です。
高校生のときに私は、あれこれ悩んだ末にキヤノンA-1を買ったのですが、
他の候補として考えていたのが、コンタックス139クォーツというカメラでした。
RTSを小型化したようなカメラで、とにかくカッコよかった。
キヤノンA-1がトヨタや日産のスポーツカーだとすれば、139クォーツは、
(ポルシェデザインだけど)BMWという感じ。機種名が3桁ナンバーというのも
なんかカッコよかったですね。
50mmF1.7のプラナー付きなら価格もリーズナブルでした。
でも高価なツァイスレンズを揃える余裕はない・・・てなことで撤退し、
キヤノンに決めたのでありました。
今の私なら、廉価なヤシカMLレンズでレンズシステムを組んで、
勝負レンズにツァイス!の一点豪華主義で行くところですが、
高校生のガキには、そんな姑息な(笑)決断は無理だったのでした。
1980年になってニコンからプロフェッショナル一眼レフF3が登場します。
ジュージアーロのデザインで、電子化された、このニコンF3以前に、
ヤシカ・コンタックスRTSの存在があったことを覚えておく必要はあるでしょう。
1983年、ヤシカは京セラに合併。
初代RTSから10年後に一眼レフカメラ界に本格的なオートフォーカス時代がやって来ます。
コンタックス一眼レフの70年代のあの先進性は、
90年代に入って、心もち”いびつに”変形し、
アナログの極致、とも云うべきものに突き進みはじめました・・・。
1990年に登場したRTSⅢにはフィルムを圧板に吸着させるバキューム装置を搭載。
フィルム面を極限まで平面にし、高画質を追求。
1996年登場のAXは、なんとボディー内オートフォーカス・カメラ!
ボディ内部でフィルムを動かしてピントを合わせるという力技、
ここまで来ると、芸術とさえ呼べるような、
究極のアナログ・オーディオ装置の世界のようでもありました。
2005年に京セラはCONTAX事業を終了しました。
ヤシカ/京セラ・CONTAXは進化の袋小路に迷い込んでしまいました。
かといって、今生き残っているカメラたちの進化が正しい道なのかどうか・・・
それは、まだまだ、先になってみないと判らないのかも知れません。
CONTAXはわたしも欲しかったですねえ。
とくに、このRTSは良かったなあ。
でも、システムをNIKONで組んでしまっていたので、残念。
CONTAXはG1を使ってました。
良いカメラでした。
by ナツパパ (2011-04-11 09:03)
G1はいいカメラでしたね。
このシリーズみたいなデジタルカメラが出たらいいですねえ。
by かめむし (2011-04-11 19:59)